温浴施設 品質探訪❸
JGM笠間ゴルフクラブ 温泉探訪
35年の歴史を持つゴルフ場で感じた「プレー後のおもてなし」と環境品質
今回は、いつもの温浴施設とは少し趣向を変え、ゴルフ場に併設された温浴施設を訪ねました。
私はゴルフが好きで、ゴルフラウンドの後に利用するお風呂も楽しみの一つです。
汗を流し、疲れた身体を癒してくれるゴルフ場の浴場。今回は、茨城県桜川市にあるJGM笠間ゴルフクラブを訪問しました。

JGM笠間ゴルフクラブ
JGM笠間ゴルフクラブ(茨城県桜川市)は、鬼才ピート・ダイが設計した戦略性の高い27ホールを持つゴルフ場です。
運営会社の変遷はありますが、約35年の歴史を持ち、クラブハウスは近代建築の巨匠アントニン・レーモンドの建築設計事務所が手がけたものとされ、銅板葺き屋根の美しい建物が印象的です。
ゴルフ場に到着した時点から、単に「ゴルフをする場所」というだけではない、施設としての品格を感じさせてくれます。
そして、今回注目したのが、ラウンド後に利用する温浴施設です。
温浴施設の特長
天然温泉ではありませんが、大理石と御影石を用いた広々とした浴場で、洗い場も18席あります。
天井も高く、開放感のある浴室です。
現在は露天風呂、サウナ、水風呂が使用されていないようで、この点は少し残念に感じました。
一方、更衣室スペースも広く、縦長の大型木製ロッカーには高級感と重厚感があり、施設の歴史を感じさせます。
ゴルフ場の浴場というと「ラウンド後に汗を流す場所」という印象を持ちがちですが、こうして実際に利用してみると、ゴルフ体験の最後を締めくくる重要な空間であることが分かります。
環境品質の視点から
ここからは、温浴施設の環境品質アドバイザーという立場から、実際に施設を利用して感じたことをご紹介します。
もちろん、専門家として施設を「採点する」ことが目的ではありません。
実際に利用するお客様の立場から、
清潔感・安全性・美観、そして「また来たい」と感じる環境がどのように維持されているか。
このような視点を意識して施設を見ています。
更衣室
更衣室はかなり広く、木製タイルの床、縦長の大型木製ロッカー、大型洗面台などを含め、全体的に清潔感が保たれていました。
ゴルフのラウンド後は多くのお客様が一斉に更衣室を利用することも考えられますが、今回の利用時には、特に気になる汚れや乱雑さは感じませんでした。
浴室
浴室の床は御影石系の石材タイルと思われますが、ヌメリはほとんど感じられず、転倒事故防止という安全面にも配慮された状態に感じました。
洗い場のイスや桶についても、表面だけでなく裏側も含めて水垢の付着はほとんどなく、清潔な状態が維持されています。
また、大型の仕切り窓ガラスにも、いわゆる「うろこ状被膜」の付着はほとんど見られず、ガラス越しの景観も良好でした。
出入口のドアガラスも同様です。
浴場中央の大型浴槽についても、浴槽内に目立ったヌメリや汚れは見当たらず、衛生状態が適切に維持されている印象を受けました。
これらを総合すると、日常清掃は丁寧に行われている施設だと感じます。
特にゴルフ場の温浴施設では、一般の大型温浴施設と比較すると、限られた人数・時間で清掃を行っているケースも少なくありません。
そのような環境を考えると、今回の状態は好印象でした。
美観面では、いくつか気になるところも
一方で、洗い場の鏡には経年劣化による黒ずみが見られました。
ただし、一般的な水垢などによる「うろこ状被膜」はほとんど見られず、鏡表面の親水性も維持されていました。
そのため、今回見られた黒ずみについては、清掃不足によるものというより、鏡そのものの経年劣化による美観上の課題と考えました。
また、大型浴槽のへりや立ち上がり部分には、白色のスケールの付着・堆積が見られました。
こうした部分については、今後設備更新などの機会があれば、鏡の交換やスケール除去などを検討することで、浴室全体の印象をさらに高められるのではないかと思います。
これは「清掃ができていない」という話ではなく、日常清掃によって良好な状態が維持されているからこそ、次の段階として設備や素材そのものの美観にも目を向けられるということです。
ゴルフラウンドから温浴までが「おもてなし」
今回の訪問を通じて、改めて感じたことがあります。
ゴルフ場も、温浴機能を備えた施設という意味では、重要な「温浴施設マーケット」の一つではないでしょうか。
夏場のラウンド後には汗を流し、冬場のラウンド後には冷えた身体を温める。
そして、お風呂を出た後に着替え、食事や休憩をして帰路につく。
この一連の体験の中で、浴場はプレー後の満足度を左右する大切な場所になっています。
ゴルフのスコアやコースの美しさだけではなく、
「最後に気持ちよく帰っていただく」
ことも、ゴルフ場における大切な「おもてなし」の一つではないでしょうか。
総評
今回、浴室を利用した後、施設内の共有スペースでも、スタッフの方が掃き掃除やモップ掛けなど、こまめに清掃を行っている姿を見かけました。
浴室だけではなく、廊下やトイレなどを含めた施設全体の環境衛生維持にも取り組まれていることがうかがえ、施設全体として清潔な環境を維持しようとする意識を感じました。
環境品質の面では、日常清掃が適切に行われ、浴室の清潔感や安全性がしっかりと維持されていると感じました。
一方で、洗い場の鏡の経年劣化や、浴槽のへり・立ち上がり部分に見られたスケールの付着・堆積など、美観面では改善の余地も感じられました。
こうした部分への対応を行うことで、浴室だけでなく、ラウンド後のお客様が感じる施設全体の印象をさらに高めることができるのではないでしょうか。
SQS(SPA Quality Score)による環境品質簡易評価
【項目】 【コメント】
おもてなし ★★★★
清潔感 ★★★★★
美観 ★★★
安全性 ★★★★★
※本評価は、実際の利用者として訪問した際の簡易的な所感です。
ゴルフ場も、温浴施設の一つとして
今回のJGM笠間ゴルフクラブの訪問を通じて、ゴルフ場における温浴施設の役割について改めて考える機会となりました。
温浴施設というと、温泉旅館、スーパー銭湯、日帰り温泉などを思い浮かべる方が多いと思います。
しかし実際には、ゴルフ場、フィットネスクラブ、ビジネスホテルなど、さまざまな施設に温浴機能が設けられています。
そして、それぞれの施設において、浴場は単なる「付帯設備」ではなく、お客様の満足度や施設の印象を支える重要な環境の一つになっています。
これからも私は、一人の利用者としての目線と、温浴施設の環境品質に携わる専門家としての目線、その両方から、さまざまな「温浴空間」を訪ねていきたいと思います。
次回は、スーパー銭湯を訪ねます。
どのような環境品質に出会えるのか、ぜひご期待ください。
本ブログではこれからも、温泉や温浴施設を訪れる一人の利用者としての目線と、温浴施設の環境品質に携わる専門家としての目線、その両方から、さまざまな施設をご紹介していきたいと思います。
なお、本稿における環境品質の評価は、あくまで実際の利用者として訪問した際の簡易的な所感です。施設の優劣を評価することを目的としたものではなく、それぞれの施設が持つ魅力と、より快適な環境づくりのヒントを皆様と共有することを目的としています。



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